Taux d'alcoolémie bien élevé アルコール血中濃度高し

  • 自動車運転時のアルコール血中濃度が 0.5-0.8 g/l で135ユーロの罰金と6ポイント減点。それを越えると罰金は4500ユーロ、懲役2年までになる。個人差もあるが、この0.5g/lのしきいを越えるには、125mlのグラスでワイン2杯から3杯と言われている。ときどき2g/lでジグザグ運転というツワモノのニュースも目にするが、これは、いわゆるヘベレケとかグデングデンという状態と想像する。そこまではいかないが、今夜は0.8 g/l は完全に越えている予感。はてなでは幸運なことに、罰金もポイント減点もないので、ジグザグしながら書いてみる。
  • シラク大統領は新首相にドミニク・ド・ヴィルパン現内務大臣を任命することを決定。閣僚人事が進行中。ニコラ・サルコジUMP党首は内閣を去る前の内務大臣の職に戻ると予測されている。去年サルジがUMP党首に立候補した際に、党首の職と大臣の職は両立しないと警告し、その大臣職を辞めさせたのはシラクだが、その原則はどうでもいいものだったことになる。こういうご都合主義がいかにもシラクらしい。
  • 外交官出身のド・ヴィルパンは、第五共和制では、議員として選挙で選ばれた経験がないまま首相として任命される3人めのケースとなる。イラク戦争開戦時の外務大臣としてのパフォーマンスで日本でも有名で、マスコミ受けはするが、政治的な基盤は弱い。内務大臣としての業績も、着実ではあるが、一般世論に強い印象を与えるものではなかった。政治エリートと一般世論との乖離が問題になっているこの時期の切り札としては、はたしどうか。サルコジとの二人三脚が果たして可能なのか。ル・モンドのネットアンケートは、ド・ヴィルパンの首相任命について満足か不満足かというの質問でやっているが、現在(31日夜半)の結果は、「どちらかといえば満足」が26.7%、「どちらかといえば不満足」が51.2%、意見なしが22.1%。
  • EU憲法条約批准国民投票について、ル・モンドのブログや、書店に並んでいる本で、ノンのいちばんまともなほうの論理を中心にちょっとお勉強。4月に出された2冊の本を買って夕方急いで読んでみた。それぞれ60ページ、100ページほどの薄いパンフレット的なもの。

Jean-Louis Clergerie & Gilbert Wasserman, Référendum, Les Conséquences du Non(Ed. d'Organisation, 2004)

国民投票 − ノンのもたらす結果』という題で、ノン勝利後のシナリオ研究という形をとっているが、「ノンが勝利すれば取り返しのつかないことになる」というウィ派の主張に対する理論的反論として書かれたもの。著者紹介によれば著者の一人はEU法の専門家。シナリオについての著者たちの主観的解釈に対する評価は別としも、ファクトに関する部分はよくまとまっていて便利。ノン派の中で最も現実的であろうとしているもの。現実のノンを受けたル・モンドその他の分析記事やブリュッセル発信の記事と照らし合わせて、著者たちの主張の現実性を検証中。

Philippe Val, Référendum des Lâches : Les arguments d'tabous du oui et du non à l'Europe (Le Cherche Midi, 2004)

『臆病者たちの国民投票 − 欧州へのウィとノンがタブーにしている議論』なるこちらは、前者とスタイルも主張も対極にある。Charlie Hebdo の編集長が、緊急の「怒り」にまかせて書いたというもので、今回の憲法条約批准で問われていたのは、「経済のEU」でも「社会政策のEU」でもなく「政治のEU」であったはずだという立場から、その議論を避けたウィ派とノン派の両方を批判しながら、「政治的統合のEU」のためのウィを主張する。口語的スタイルで一気にまくしたてていて、平易なことばで本質的な問題提起をしている。

  • 「フランスのノン」をめぐる、日本の報道やそれを受けたブログ界隈をちょっと一回り。昨日までの私のところの記事は、これらを参照していない状態で書かれたもので、ブログも、参照し対話の相手としているのは、フランス国内の密度の濃い報道を踏まえたある意味でEU内部からの視点によっているものだけ。が、それ以外の場所で、基本的な前提をすっとばして、EUがこれでおしまいになったかのような、あるいはフランスがEUを離れるというような意味付けに単純化した論点をあれこれ見るにつけ、昨日までここで展開している、仏国内でも特定の政治的立場にたった議論を細かく続けて行くのはあまり意味がないように思えてきた。フランスの左派のデマゴーグ的なノンに対する批判を徹底したいという気持ちがあったが、これについてはやはり戦場を実効のある場所に移す。この問題についてここで今後フォローしていくとすれば、さまざまなノンとさまざまなウィを、もう少し全体的なパースペクティヴで捉え、それが今後のEUあるいはフランスとEUのかかわりの中でどういう意味をもつのかという、基本線にもどした上でのほうがよさそうだ。。その中で特定のノンに対するこれまでの批判も出てくるとは思うが。
  • お約束したフランスのブログ事情はもうちょっとお待ちください(といってもたいそうなことは書けないので、あまり期待しないで>yskszkさん)。