2005-01-01から1年間の記事一覧

フランスの大学の学内選挙−−学長・評議員はどう選ばれるか

フランスの多くの大学で12月は学内選挙の季節である。国立大学の機構は法令−−基本的には1984年に作られたサヴァリ法 Loi Savaryとその後に定められた施行規則−−によってどれもだいたい同じようになっている。その中で3種類の評議会が意志決定・政策決定機関…

「暴動対策(or カウンター・インティファーダ)」のノウハウをイスラエルにならう。

イスラエルの治安責任者が10日、日曜フランス側の要請でパリへ。内務大臣に会い、暴動対策のノウハウを地元の警察、機動隊にレッスン。ニュースソースは、陰謀論好きメディアではなくて、イスラエルの新聞 Haaretz。 Police officials Ezra, Karadi fly to P…

クリスマスをソクレジに

サブリミナルではないかと最近ネットでうわさになっているプランタンのCMイメージ。 新手の → アナグラム・サブリミナルか、○×△□嫌いのあまりどこにでも○×△□を見てしまう強迫観念症か。笑い話くらいにとどめておいたほうがいいと思うが、ただこれを担当した…

「ブウナ・トラオレとジェッド・ベナの最後の日」

2005年10月27日、パリ郊外のクリシー・ス・ボワで変電所の施設に入り込んだ3人の少年が誤って電線に触れる事故がおきた。そしてそのうち、ブウナ・トラオレとジェッド・ベルナの2人がその場で感電死し、ミュヒタン・アルタムが現在でも全身やけどの重傷で入…

「これからの10年は過去の10年ほど暗いものではないだろう(日本)」(by ル・モンド)

日本の少しづつの経済回復 Le retour, à petits pas, du Japon par Philippe Pons LE MONDE | 08.12.05 | 14h27 日本は再び世界の経済成長の牽引力の地位を取り戻しつつあるだろうか?いくどかの空振りのあとこんどこそ以前の苦境を日本が脱しつつあることを…

バンリュウ反乱。背後に組識も操作もなし(by「総合情報局」)

「都市暴動は組織されたものでも扇動操作されたものでもない」と総合情報局が報告書。 Les violences urbaines n'étaient ni organisées ni manipulées, selon un rapport des RGAP | 07.12.05 | 08:44バンリュウの都市暴動は「組識されたものではなく」また…

バグダッドで誘拐のフランス人エンジニア

ル・モンドが臨時ニュースで第一報を出したのが5日月曜日朝8時57分。人質になっているベルナール・プランシュ氏はNGOで働いているエンジニア。火曜日午後の NouvelObsの記事 Bernard Planche : la France a pris des "contacts" NOUVELOBS.COM | 06.12.05 | …

バンリュウ騒動関係仏語記事クリッピング

10月28日に始った郊外の騒動、2007年の大統領選挙の文脈にそれが置かれているようす、騒動の背景にある特に移民層における都市・社会問題などなどについて、印象にのこった記事を紹介。フランス語ばかりになるが、さすがに訳したり、詳しいレジュメを作る余…

どこまで続くサルコジ砲

今日(日曜)の晩にニュースとしてはいってきたサルコジ発言の一部。もうこの名前の人のことはあまりとりあげないようにと思っていたばかりだが、書いておく必要がある。 「フィンケルクロートはフランスの知性の名誉」 Nicolas Sarkozy juge qu'Alain Finki…

買われた「自由・平等・博愛」@Google.fr

昨日の記事を書いていて必要があって、Google.fr で liberté (自由)を検索すると、右側に サルコジ・UMP の広告が出ているの気がついた。 UMPは党内の他の政治家からも文句がでるほど今やほとんどSarkozyの大統領選挙宣伝マシンと化していて、さまざまなマ…

「全国の高校にコンドームの自販機を!」(by共和国大統領)

2日ほど過ぎたニュースで、日本でも記事になったようですが、一応紹介。 全高校にコンドームをとシラク大統領 Jacques Chirac veut des préservatifs dans les lycées Libération/Reuter jeudi 01 décembre 2005シラク大統領は、フランスで蔓延を続けるエイ…

「大統領への手紙」

リールの Axiom という ラップミュージシャンの「大統領への手紙」と題する曲。 RealMeddia http://indigenes37.org/IMG/malettreaupresident.ram クリップ http://www.axiomfirst.com/video.swf テキスト http://www.skyrock.com/phorumv2/read.php?f=5&i=9…

「仮面をかぶったル・ペン : 」(by カントナ)

"Le Pen avec un masque: Sarkozy"11月30日の Canal+ の 生番組 Le Grand Journal で、エリック・カントナが発したことば。発言にいたる経緯は複雑なので略*1。二週間ほど前、ある調査でプルミエ・リーグ史上いちばん偉大な選手に選ばれ、なおさら怖いものは…

財布バトン

このあとまた何か書く予定ですが、気晴らしと、刑期景気づけに id:kmiura さんからいただいた財布バトン。Q1.どんな財布使ってはります? 財布は使っていない。

思えば遠くへきたものだ

1997年の夏から、そして2002年の5月から、思えば遠くへ来たものだと思う。フランスは。2002年の選挙のあと、サルコジが内相となり、一連の移民関係の政策が締め付け的な性格を強め、2003年末には法律が変わった。この一連の動きは、1997年にドブレ内相がパス…

11月25日にはじめたリベの座談会の訳の続きを「政治的運動か虚無的反抗か(2/2)」としてアップ

P.Comme Politiques

ル・モンド社説 Jean-Marie Colombani, "Après le choc, (28/29.11.05)" いろはカルタ「P」項のココロ。政治家たちの力学関係--大統領権力の弱体化(健康上の理由を発端とし政治力学の問題となっていった)、反対勢力の自制(野党、組合)を背景に、突っ走…

リアクティヴモードで雑感

カソヴィッツ・サルコジのブログ戦についての24日エントリーにTBをいただいた id:lunette_homme さんの25日の記事に、サルコジ氏のコメントの訳の一部があります。サルコジのとるポピュリスト的手法のの問題については、まさにそのとおりで、これは私も項を…

いろいろTB、コメントのお返し、バトン、翻訳の続きなどもたまっていますが、ナイトキャップがわりの液体片手に、アルコール度と眠気を自然上昇させながら、いくつかできること片づけます。

騒動に参加した「移民」

26日に、「『暴動参加者の80%が前歴あり』(内務大臣)は裁判所データに一致しない」という旨の25日づけル・モンド記事を紹介したが、よく調べると実はすでに18日のNouvelObsの記事「 Décryptage du profil des émeutiers 暴動参加者のプロフィールを解読す…

2,3日だけのつもりで戻ったのに、ずるずる深みにはまってしまい、立て続けの長いのを書いたりしたので、さすがにちょっと仕事とのからみで飽和状態。25日にはじめたリベの座談会記事の翻訳も続きの部分が切れのいいところまでいっていず、理論的なことば選び…

7人の少年

上記で紹介したル・モンド記事中、補導された7人の少年たちのプロフィールの部分、翻訳を呼びかけたら猫屋さんが訳してくれました。トラックバックでの複数ブログ連合でいいと最初考えていたのですが、猫屋さんの申し出もあり、読者の便宜も考えて以下にコピ…

騒動に参加した「若者」「ごろつき」

昨日はじめたリベラシオンの座談会の記事の翻訳の続きに取り掛かる前に、ル・モンドのネット版をひとわたり見ようと思ったら、一面に、えっ?と驚く見出しがあった。座談会で扱われている問題にもかかわる重要なことなので、ひとまずこちらの紹介を優先する…

政治的運動か虚無的反抗か(2/2)

Jean-Pierre LE GOFF −− 68年に比べたときの、あるいは70年代の高校生たちの闘争などに比べたときの、違いは明らかだ。68年の過激派学生はことばの祭典を経験した。そうして彼らは反乱の伝統に属したのであり、被害者意識やゲットーのロジックの中にはいない…

政治的運動か虚無的反抗か(1/2)

Pierre ROSANVALLON −− 3段階の理解のレベルを区別しなければならない。まず、事件の具体的側面(反抗・暴力の現実的展開)、バンリュウの一般的社会状況、そして今フランスを覆っている危機的不安感だ。事件自身は低年齢層の若者たちの行動、極めて暴力的で…

バンリュウの危機とは何か?(リベラシオン)

11月21日のリベラシオンに掲載された「Quelle crise de banlieus ? バンリュウの危機とは何か?」と題する座談会記事を翻訳紹介する。Pierre ROSANVALLON, Jea-Pierre LE GOFF, Emmanuel TODD, Eric MAURIN という4人の社会学系の研究者が参加して11月14日(…

ラッパー・フィンケルクロート

アラン・フィンケルクロート Alain Finkielkraut のフィガロのインタビューを L'écume des jours の shiba さんが訳してくださっていて、その悲憤慷慨調をよく写した訳になっている。中身はかなり凄い。が、実はもっと凄いのがある。RCJ (La Radio de la Co…

「フランスには貧困層は存在しない」

政権保守党の議員が、「あるインタビュー」で次のように答えた映像が、今ネットで出回っており、火曜日にはラジオでも放送された。 インタビュアー:フランスではどのようにして貧乏人を市内から去らせ郊外に行かせることに成功しているのですか。議員:貧困…

カソヴィッツ−サルコジ、ブログの戦い

「映画 La Haine を作った男、Mathieu Kassovitz が自分のサイトのNewsページでかなり過激なサルコジ批判メッセージをアップしている。」というのは、猫屋さんが「ね式」ブログで紹介しているが、22日火曜日朝7時12分づけで、サルコジ氏が問題のカソヴィッツ…

横道の宿題を済ませて、小ネタがたまっているので、今日はこれから、上から下下から上へさみだれしきにアップ(現地時間、23日水曜日17時)。