「大学の自治」−−死語辞典エントリー?

fenestrae2004-08-19


8月13日に沖縄国際大学に米軍のヘリコプターが落下した事件で、地位協定をたてにとった米軍の現場立ち入り処理に主権侵害の声があがる。私も同じ声をあげたい。しかしニュースをひととおりチェックして見つけられないキーワードがある−−「大学の自治」。

「国家の主権」もさることながら、その前に「大学の自治」はどうなっているかと問われないのはなぜか。国家の自治さえ危ういようすではそんな問題設定は絵空事だろうか。

大学構内の暴力的紛争について自国の警察でさえ入れる入れないで大問題になっていた時代がある。さらに時代を遡れば、大学構内に入った警官の手帳を劇団サークルの学生たちが押収したことが合法かどうかで最高裁まで争ったことがある。それを考えるとシュールレアリストな感じがする。日本という同じ国のことだ。学生、教員がピケを張って外国の軍隊の侵入を阻止するというイメージのほうが2004年の日本ではシュールレアリストなのだろうか。無責任に扇動するというつもりはないが、ただそういうイメージが反射的に人々の頭の中に浮かぶ時代の空気が20世紀後半の日本の歴史にはあったということは思い返されてもよい。大学人の感想を聞きたい。

手元にある本の第二次琉大事件(1956年)を記述するページにある写真でデモの学生たちが掲げる横断幕には、こんなことばが記されていた −−「沈黙!沈黙!この沈黙を破らなければただ滅亡あるのみ 魯迅」。

◆思わず、またまたブログの方針を離れて外国メディア紹介を介さず直接コメントしましたが、この事件関連の英、仏語圏の記事では :

Un hélicoptère militaire américain s'écrase au Japon Swissinfo 13 août 2004 09:58(事件についての短報)
U.S. handling of helicopter crash irks Okinawa 17 Aug 2004 08:46:32 GMT (事故処理をめぐる地元の反応について解説)

◆追記(8月25日)琉球大学の学生の方がこの問題を扱う日記をはてなに作っているのを知る
http://d.hatena.ne.jp/porque/
Bravao!