仏記者人質:最後通告期限を越しながら

連帯の声明、解放の噂、不安が交錯する。

20時のTVニュースや新聞ネット版の夕方の版では、アラブ諸国、さまざまなイスラム教徒団体の解放要求の声明を紹介し、この事件に対するアラブ社会、イスラム教圏でのフランスへの強い連帯の声をつたえる。しかしこうした世論が、犯人たちにどれほでの影響力があるかまったく掴めないとする。特に、イラクのウラマ協会が犯人とコンタクトをとれていないと発表したことは大きな不安材料になる。

一方解放の噂が現地では流れているらしい。現地特派員によると、二人が夕方には解放されるのではないかという噂も昼ごろには流れた。また今夜じゅうに解放されるはずが、「技術的問題」で明日の朝になっているとも。一方これらの情報は皆不確かであり、いずれにせよ何らかの情報を持っているはずのフランス外務省筋でも、進行中の交渉を損なわないために、余計なことを発表するはずはないと。外務省としては犯人とのコンタクトのためにあらゆる筋を動員しているが、もたらされる情報は玉石混交で、これの評価をしながら努力を続けていると説明。一方、ヨルダンの特別機が待機しているという情報も紹介された。

現地からのニュースで、2人のジャーナリストといっしょに行方不明になった運転手の男性の弟の声を紹介。1年間も2人といっしょに働いていた彼のことにも目を向けて欲しいと。

フランスの元内務大臣で政治の闇の部分を多く知っているシャルル・パスクワ氏−−議員特権を失って汚職容疑の逮捕状が執行され今ごろ牢屋に入っていると思っていたが...−−がFrance 2に出てきて、外交官のやる表の交渉と情報機関のやる裏の交渉についてしゃべる。両面交渉は必要だし当然今もやっていると。裏の交渉については、中東情勢、イラク情勢に詳しい、軍のロンド将軍が、情報機関チームのトップとしてイラク入りして動いているとル・モンドがすっぱ抜くが、軍はこの人の派遣について肯定も否定もしないというコメント。France 2には元情報機関の別の人間の話も。過去の例で言うと、裏交渉は金だけでなく、刑務所にいるテロリストの釈放などをカードにしたものもあり、後者のような裏取り引きの義務遂行は数ヶ月から数年のスパンで行われ、約束したからには守る(守らなければ報復が必ずくる)そうだ。

デモ集会はパリだけでなく、リル、リヨン、モンペリエなどの地方でも。テレビはスカーフをした娘たちが集会場のノートにメッセージを残していく様子を写し、イスラム教徒の参加、連帯表明を強調する。パリでは、パリのモスクで午後行われた祈祷会に、ド・ヴィルパン内務相とドラノエパリ市長が招待され出席。出席者には人質のマルブリュノ氏の家族も。ド・ヴィルパン、ドラノエ氏と、モスクの責任者でCFCM(フランス・ムスリム評議会)の議長のブバケール氏が祈祷会のあとに連帯を訴える演説。パリ市長の提案でパリ市役所の正面の上のほうには2人のジャーナリストの写真が掲げられている。

20時45に48時間+24時間の最後通牒の時間がすぎるが新しい動き知らせは何も入っていこないと、AFPの最新ニュースが伝える。