モムゼン『ローマの歴史』(ネット版)

Via id:cinna85mome で、モムゼンの『ローマ史』の邦訳が最近出版開始されたと知る(長谷川博隆訳『ローマの歴史』(名古屋大学出版会))。はてなでも他にも言及あり。

実は、オリジナルの独語版を初め、ほぼ同時代の英訳、仏訳もネットで読める。

  • 仏語訳版(C.A.ALEXANDRE訳 1870)

http://perso.wanadoo.fr/fdomi.fournier/H%20antique/Mommsen/Mommsen_HR00.htm


だいたいが、ネットで読むことを前提にしてサイトだが、フライブルク大学のものは、いろいろなフォーマットでダウンロードできるので便利。

ドイツ語版6巻(1-5巻+8巻。6,7巻は出版されず)の合計がPDF版でも8MByte弱。標準的な圧縮度のmp3ファイルで歌の2曲分くらい。ミュージック・バトンで、音楽ファイル数十ギガという人はざらだったが、この計算でいくと、テキストデータだけの本に限れば、小さな町の図書館分くらいのスペースを皆が所有していることになる。

仏語訳版は、個人サイトなのが気になる。こういうサイトだとある日突然なくなったりするで、保存しておいたほうが無難。また、どうも行儀のよくないHTMLフォーマットソフトで作ったらしくて、ページデザインがめちゃめちで、読みにくいことこの上ない。だれか、一度保存してページフォーマットのタグを付け替えて、どこかにアップしなおせばいいのではと思う(実はローカルファイルでちょっとやってみた)。が、この電子版の扱いにはディスクレーマーもない。

仏語訳版はまた、フランス国立図書館アーカイブサイト Gallica(http://gallica.bnf.fr/)で、検索すれば、画像としてスキャンニングした版がダウンロードできる。サイズはテキスト化したPDF版の15倍〜20倍ほどだが、それでも全部(ドイツ語版の1−5巻にあたる1-8巻)をダウンロードして100Mbyteくらい。

日本語訳は、それはそれとしてもちろん重要で、新しい翻訳本には最新の研究成果による注もつていると思うが、専門家でない人間が単に楽しみだけで読むためには、上の3つの言語のどちらかであまりエネルギーのロスなく読めれば、1巻6,300円ずつ払って2007年まで待たずともいいことになる。これはもちろん、訳者と訳本の版元への営業妨害でなく、外国語ノススメ。