反CPEの仏学生の運動、月曜になってさらに活発化。

CPE(初回雇用契約制)法に反対するフランスの学生の運動は、明日火曜日の統一行動を控えてさらに活発化。

日曜日にヴィルパン首相がテレビニュースのインタビューに呼ばれて、説明を行ったが、学生のほうでは対話の姿勢がみられないとさらに反発する結果となった。

ブログでの情報交換についてはすでに紹介(下の記事)したが、大手のメディア NouvelObs でも毎日刻々の最新ニュースを伝える(ただし朝から夕方まで)ページがある。今日の雰囲気を知るために、そこから15時以降の動きを以下に紹介。

  • 15h20 Paris 数百人の高校生が6区にある医学部の建物に入り、大講義室で学生総会を行っているソルボンヌの学生の支持にかけつける。
  • 15h30 Paris UMPの事務局長 Brice Hortefeux が談話を発表−−ニコラ・サルコジ(党首)は「政府を全面的に支持」し首相に「忠実につきそう」ものである。
  • 15h35 Paris 経営者組合Medef参加最大組識L'Union des industries et métiers de la métallurgie (UIMM 工業・金属ユニオン) は、日曜日に首相が提案した新しい「保障案」はCPEの有用性を高めるものと声明
  • 15h55 Bordeaux 800人以上の出席で行われたボルドー第3大学の学生総会は、CPEの撤回を求めて木曜日までの大学の完全閉鎖を圧倒的多数で可決。
  • 15h55 Angers アンジェの文学部・理学部の学生はCPEの撤回を求めて、両学部でのストの続行と学部閉鎖を決議。
  • 16h15 Toulouse トゥールーズ第2大学の教職員は木曜までのストの動議を可決。
  • 16h20 Renne レンヌ第2大学の学長は、月曜日の学生総会で挙手により行われ、正統性に異論が出ていたスト続行投票結果に対し、「深刻な事故、暴力的衝突を防ぐ」ため、無効の決定を下す。
  • 16h30 Paris 数百人の学生が高校生とともにカルチェ・ラタンでコース無予告のデモ。
  • 17h05 Evry エヴリ大学(パリ郊外エソンヌ県)の大講堂で開かれた学生総会で大学の3つの主要な建物を閉鎖すると決定。
  • 17h10 Caen カン大学の学生約800人はCPEの撤回を求めて、ストの続行と、文学部・事務局の建物に引きつづいて理学部・法学部の建物の閉鎖を決定。
  • 17h10 Paris パリ第10大学(ナンテール)で火曜日に予定されていた、大学閉鎖を問うための全学レファレンダムは中止と決定。学長は諸施設の閉鎖を決定。
  • 17h20 Strasbourg ストラスブールのマルク・ブロック大学の学長は首相に対し、「CPEの維持を前提としない」、学生との対話の条件をとりもどすことを要請すると発表。
  • 17h30 Paris 機動隊た反CPEのデモ隊がコレージュ・ド・フランスの入り口の前で衝突。催涙ガス弾が発射される[これについては一つ前の記事↓で紹介したブログが別のもっと詳しい情報を伝えている]。
  • 17h55 Tours トゥールのフランソワ・ラブレー大学の評議会は臨時総会を開きCPE法案の即座の撤回を要求する動議案を可決。
  • 18h15 Nantes ナント大学の理学部の学生はは授業の中止を可決し、CPEの撤回を求めるストに加わる。
  • 18h30 全国労働組合組織 CGTの運輸交通部門は同部門の組合員に対し、木曜、土曜に行われる反CPE統一行動への参加を呼びかける[→つまり交通機関のストの可能性あり]。
  • 18h35 Rennes レンヌの行政裁判所は、レンヌ大学でストによる大学閉鎖反対の学生集会に大学施設を提供することを拒否する学長の決定を取り消す仮処分決定を下す。
  • 18h50 Bordeaux ボルドー第2大学で800人以上の参加で行われた学生総会は圧倒的過半数で全学閉鎖を決議。
  • 19h00 Poitiers ポワティエ大学の評議会は、大学の正常化のためには、CPEの撤回とCNE[CPEに先立って去年導入された類似の雇用制]の廃止が必須という見解を占めす。


大学の学長レベル、あるいは教員・職員・学生で構成される大学の最高決定機関である大学評議会のレベルで、CPEの撤回を求める動きがでてきている。一般世論はどう動くはまだわからないが、大学レベルでは学生だけの運動をこえつつある。また、ストによる全学封鎖を主張する学生と、それに反対して授業を受ける権利を求める学生との間の対立も大学によっては大きくなってきている。今週は火曜日と土曜日に統一行動が行われるが、ここが一つの山。これより長引いてくると今年後期の試験にかかわるのでスト、大学閉鎖の続行はだんだんむつかしくなってくる。また統一行動への一般労働組合の参加のぐあいも運動の力を作用するだろう。