「その前に10も20も同じ事件が」
「これが狂言だったら、もちろん狂言である以上批判されなければならない...だからといって事は変わらない。これはこの種の暴行事件としては10回めだか20回めのものだ*1」と言ったのは前政権下の大臣D.ストロース・カーン氏。最初にふりあげたこぶしがおろせなくてのことばにとれる。本質においては間違っていないかもしれない。が、もうひとつの問題は、この種の狂言も過去に複数あること。
7月13日のフィガロの記事は、人種差別的としてとりあげれらた暴力事件で虚偽あるいはその事実の確認が極めて困難と判明したものを6件ほど(1997年以来)紹介する*2。
この中で私の記憶にものこっていたのは、1997年に女性警官がアラブ系の若者たちにRERの中で強姦されたと訴えでたもの。ほどなくして女性の訴えに怪しいところが出てきたのまでは覚えていたがどう解決したかは知らなかった。フィガロの記述でもはっきりしないのでル・モンドの記事で調べてみると訴えられていた4人の若者の無実が2001年に判明していた。こういう事件は今回のように直後に白黒がはっきりすればいいが、事実の判明に時間のかかるものは、私のようにしか覚えていない人もいて、灰色の判断の中でRERで強姦される女性警官というイメージだけが頭の中にやきついていたりするので怖い。ネットで検索すると古いサイトだろうがこの事件を事実として書いてあるものがある。そのうちの一つは外国人排斥の国民戦線の議員のサイトだった。
14日のル・モンドは反ユダヤ主義的事件とされたケースに絞り、事件の事実がなかったあるいは疑わしいもの、暴力事件ではあっても反ユダヤ主義とは結局関係がなかったもののここ2年ほどの例をあげる。同時に実際のケースも今年の半年の間に過去より倍増しているという情報も付け加えながら。
Dans plusieurs cas, le soupçon d'antisémitisme a été levé Les agressions contre les juifs ont cependant doublé pendant les six premiers mois de l'année.
LE MONDE | 14.07.04 | 13h21 • MIS A JOUR LE 14.07.04 | 15h00
ここであげられた例で最も話題になった(なっている)のが今年の1月にユダヤ人の若い聖職者が車を焼かれ、ナイフで刺されたという事件で、被害者の証言と物証が合致しないので疑いがかかっているが、いまだ決着がついていない*3。