国境なき医師団、アフガニスタンから撤退

国境なき医師団がチームをアフガニスタンから撤退
Médecins sans frontières retire ses équipes d'Afghanistan

LEMONDE.FR | 28.07.04 | 09h44
国境なき医師団は1979年以来アフガニスタンで活動し、13の地方に80人の外国からのメンバー、1400人の現地雇用者で活動を展開していた。

今のところネット版だけの記事で、AFP配信記事に基づいている。

国境なき医師団(MSF - Médecins sans Frontières)は、25年間アフガニスタンの人々のために独自の支援活動を行ってきたが、このたび、(メンバーの)殺害、脅迫、治安悪化のため同国より撤退する」と、MSFは28日水曜日プレス・リリースで発表した。

「この決定は、6月2日に5人のメンバが犠牲になった過去最大の攻撃のあとなされた」と発表は説明する。6月はじめに、MSFのオランダ・セクションの5人の職員、うち3人は外国からのメンバー(ベルギー、オランダ、ノルウェー)が、バドギスBadghis地方を車で移動中に正体不明の武装集団に待ち伏せに合い殺害されていた。

撤退は、「政府がこの攻撃について信頼に足る捜査を行う義務を果たしていない」ことが判明した上であると、MSFは遺憾の意を表する。MSFによるとさらに撤退はまた「タリバンのスポークスマンによる虚偽に満ちた非難、MSFの職員に対する攻撃の新たな可能性」を受けてのものでまある。原理主義武装集団のスポークスマン、アブドゥル・ラティフ・ハキミ Abdul Latif Hakimi は6月2日の攻撃犯として名乗り出、MSFをアメリカのための「スパイ活動をしている」と非難していた。

MSFのこの撤退にはまた「連合軍が政治的、軍事的動機によって人道支援団体を恣意的に取り込むこと」に対する抗議も含まれている。

撤退の理由についてはさらにMSFのマリヌ・ビュイソニエール Marine Buissonière 事務局長、ケニー・グルック、オペレーション責任者が木曜日の記者会見で詳細を説明する予定として、コミュニケは以下のように伝える。「二人はアフガニスタンから撤退しなければならなくなったことを残念に思い、現在の状況下ではアフガニスタンの人々に対する支援活動が不可能な理由について説明するだろう」

コミュニケはMSFのサイトにまだアップされていない。これより前のMSFのリアクション−−5人の殺害に対する非難声明、5人の追悼文はMSFの日本支部のサイトでも詳しく読める。


http://www.msf.or.jp/news/news.php?id=2004060403&key=afgan
http://www.msf.or.jp/news/news.php?id=2004060404&key=afgan

関連英語版ページ
http://www.msf.org/countries/index.cfm?indexid=22D10F56-BEC7-11D4-852200902789187E

上のAFP-ル・モンドの記事では触れられていないが、MSFの発表を読むと、6月4日以来、MSFはこの死に抗議してアフガニスタン全土での活動をすでに中止していた。

ソ連との戦争中、タリバン支配化、連合軍の攻撃中もでもどうにか活動を続けてきたMSFが、撤退しようというのだから、治安の悪化は並みではないということが想像できる。10月には大統領選挙が予定され、女性の候補者も出ているというがどうなるのだろう。