シャッセ・クロワゼ

Chassé-Croisé 追っかけ−すれ違い。ヴァカンスの7月組と8月組の移動が行き違う一大イベントがこの語で表現されるので、7月末8月初の週末に耳にタコができるほど聞かされることば。フランス生活を解説した色々なサイトで解説しているはずなので詳しくはそちらを。もともと舞踏用語で、典型的には男女のペアで片方が追い、片方がするりとすれ違う動作に見られる。

パリジャン紙のネット版一面の記事が 「いかにシャッセ・クロワゼに立ち向かうか Comment affronter le grand chassé-croisée de l'été

毎年出発時間がどんどん早くなる傾向にあったが、それが発展して、今度は夜中の移動を好む人が増えている。フランス全土でのべ800Kmの渋滞が予想され、2002年の792Kmの記録を破る恐れもと。

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この中で「ヴァカンスの高速道路、渋滞を減らすために速度を落として Sur l'autoroute du soleil, rouler moins vite pour créer moins de bouchons」という記事で、個人的にいつも言いたいことが書かれている。

流体力学の数学的モデルは明確に結論している−−理論上、均一な流れは不均一な流れよりもよく流れる。

すべての運転手が同じようなスタイルで均一な速度で走ればアコーディオン現象を抑え、障害物で複雑なコースが生まれるのが防げる。

もっとも頭で分かっていても、その場になると目先の20メートルを稼ぎたくて、どうしても車線変更で追い越ししたくなるのがだいたいのフランス人。そして渋滞部分が右に左に移り、ますます人々が右や左に動き、その悪循環で全体では極めてカオチックな状態が生じることになる。フランス人の運転マナーでは渋滞を起こすのに車2台で十分*1と言われるくらいだから、「流体力学のモデル...」などと説明されても効き目はないだろう。結局これも夏の風物詩の一つとして、皆うれしそうにいらいらしながら、毎年同じ風に過ぎていく。

この日記も2週間ほど減速。完全に休みはしませんが、今までのような長い書き込みはなくて、気が向いたときにちょこちょこと。

*1:そのココロは : 2車線から1車線になるところで片方が割り込もうとするとどちらも譲らなくていつまででも動かない