ジダン、ナショナルチームからの引退を正式表明。

fenestrae2004-08-12


引退の話はしばらく前から聞こえていたが、ナショナルチーム新監督のドメネクとの会談のあと、もう少し熟考すると言っていた。今日の19時45分に テレビ局 Canal+ に出演して決定を公にする予定だったが、すでにレキップは昨日、ジダンは引退を決意と報道。ジダンはテレビ出演を待たず今日の午後、自分の公式サイトで引退のことばをあきらかに。

ある時がきたら「ストップ」と言うことができることも必要だと思う
"Je pense qu'à un moment donné il faut savoir dire 'stop'"

ただし、公式サイトは今アクセスが殺到しているためかつながらない。

ル・モンドの以下の記事に詳しく解説。

ジネディン・ジダン、国際試合から引退
Zinédine Zidane met un terme à sa carrière internationale

LE MONDE | 12.08.04 | 13h23 • MIS A JOUR LE 12.08.04 | 14h18

ル・モンドからは臨時ニュースのメールも。

◆追記(12日夜)
所用でCanal + のジダン出演は見逃した。もっとも昼間のサイトでの発表は少しは残っていたサスペンスを奪ってしまっていた(Canal +のプロデューサーは頭を抱えたのではないか)。France 2 の20時のニュースのネット版で引退のニュースを見る。番組の1/3を使う扱い(10年前の髪の毛ふさふさのジダンや過去のハイライトを見たいかたは→ここから今日の20時のニュース Journal de 20 H へ)。

ジダンのホームページは今はアクセス可能で、引退の表明、引退にあたって彼の考えは、インタビューの形で読める。

プラティニの現役時代を知らないが、この人の去就についての扱いは、サッカーだけでなくどのスポーツ選手と比べてもとにかく格別だった。

CSA(高等視聴覚評議会)は7月29日に「2006年までジダンに代表に留まってほしいか」と問うだけの世論調査を実施した。結果は、ウィが62%、ノンが29%(無回答 9%)。

8月6付けのル・モンドは「Zidane doit rester ジダンは残らなければならぬ」という異例の社説を掲載し、それを「ジダンさん残って Restez, M. Zidane」と彼に直接呼びかける形で結んだ。この新聞では異例中の異例の文章である。

その一方、ル・モンドはネット・アンケートに「2006年のワールドカップジダンは必要か」というリアリストの質問を用意し、「フランスチームにとって絶対に必要 indispensable à l'équipe de France」- 35.2 %、「フランスチームは彼なしでやっていける l'équipe de France peut se passer de lui」- 51.5 %という人々の反応を得た。ほんとうを言うと51.5%の多くの部分が、「やっていける peut ではなく、やっていかねばならない doit」の気持ちだろう。今日のFrance 2 のジャーナリストのことば、「これからはジダンなしで勝つことを学ばなければならなくなった Il faudra apprendre à gagner maintenant sans Zidane」が多くの人々の気持ちを代弁する。

選手としてはまだ現役のわけだから、過度なオマージュは不要だろうが、青いユニフォームのジダンの歴史は、個人的な「私のフランス史」あるいは「フランスでの自分史」と大きく重なるなるので、やはり感慨が深い。2006年にフランスが仮に優勝したとしても、1998年7月12日の「Zidane Président! ジダンを大統領に!」という、人々のあの能天気な連呼はもう聞かれず、ジダンの名前がそこで誰かに置き換わることも想像できない。