米大統領選、投票体制の公正さに早くも疑問

米大統領選−−選挙体制は信頼性に欠けるとOSCEが判断。
ELECTIONS AMERICAINES Pour l'OSCE, le mode d'élection ne sera pas fiable

NOUVELOBS.COM | 29.09.04 | 15:08
OSCE(欧州安全保障協力機構)はその報告書の中で、2000年の大統領選挙の際に露呈したアメリカの選挙体制の「欠陥」は11月2日の選挙に向けて完全に是正されていないと発表した。報告は、郵便投票の機密保持や新しい電子投票装置に関する問題は「解決からほど遠い」としている。
L'Organisation pour la sécurité et la coopération en Europe affirme dans un rapport que les "faiblesses" du mode d'élection aux Etats-Unis, mises en évidence lors du scrutin présidentiel de 2000, ne seront pas toutes corrigées pour le vote du 2 novembre. Certains problèmes, comme la confidentialité des votes par correspondance et les nouvelles machines électroniques, "sont loin d'être réglés".

OSCEは通常民主的選挙体制が十全に整っていない国へ国際監視団を派遣しており、最近ではカザフスタンの選挙結果を監視、その公正さに疑問を投げかけた。今回、アメリカ大統領選挙アメリ国務省の招きに応じて監視団を派遣するという前代未聞のことになったが、選挙前の調査結果が報告書にまとめられ、上の記事のような指摘がすでに出されている。

同主題で、フロリダの問題に絞ったル・モンドの記事

フロリダのの選挙手続きに依然として異議
Le processus électoral de la Floride demeure l'objet de contestations

LE MONDE | 29.09.04 | 15h06

では

大統領の弟のジェブ・ブッシュ知事のもとのフロリダ当局は、2000年から機能している投票装置の効率を弁護。
L'équipe de Jeb Bush, gouverneur de l'Etat et frère du président républicain, a défendu l'efficacité des machines à voter mises en place depuis 2000.

と。しかし選挙体制の不備については、ジミー・カーター元大統領も批判している。

28日づけで発表されたOSCEの報告書は → PDF版でダウンロードできる

これによると、2000年のときに問題になったレバーパンチ式のパンチカードシステムが予算不足のため取り替えられずにほぼ半分の州で使われている。また、新しい電子投票システムについては

概して、新しい投票装置に用いられているソフトウェアは国内の公の独立監査組織に公開されておらず、複数の州が、マニュアル検査や再カウントの機能のない新しい電子装置に財政支出している。
Generally, the software used in the new voting machines has not been made available for domestic independent public scrutiny, and several states have invested in new electronic equipment that does not provide for a manual audit and recount capacity.

またメール投票に関して自由意志によらない投票や、不正プロキシーによる不正投票を許す危険性を指摘。またメール、ファックス投票に投票の秘密を保証する手続きが確立されておらず、世界人権宣言やOSCEの基準に背馳するとする。他にも問題山積。