日本領海に潜水艦...を枕に超とりとめなく

今日は記事は上から下に。

「日本領海に潜水艦、中国の?」というニュース、日本の報道が詳しいから、フランス語圏のもの持ち出すまでもないが、話のタネとして紹介すれば、謎の潜水艦云々という報道に続き、最新のは、

日本は中国の潜水艦による領海侵犯を疑う。
Le Japon suspecte un sous-marin chinois d'avoir violé ses eaux territoriales

TOKYO, 10 nov (AFP)

かなり詳しい説明。

読んでいて思わず吹きだしそうになったのは、

小泉純一郎首相(保守派)はただちにこの事件を「遺憾である」とし、「これは確かにいいことではない。事態を監視し続けなければならない」と述べた。
Le Premier ministre conservateur Junichiro Koizumi a immédiatement qualifié l'incident de "regrettable". "Ce n'est certainement pas une bonne chose. Il faut continuer à surveiller la situation", a-t-il dit.

というくだり。

元の小泉発言を顧慮せずに単純に訳したが、オリジナルは「遺憾ですねえ。我が国の領海内に国籍不明の潜水艦が入ってくるというのは、いいことじゃないのは確か」(via id:Jonah_2:20041110#p1)。

仏訳は字句的に正しいのだが−−正しいゆえに−−かなり間抜けた響きだ。こういうコンテクストだと普通、「inadmissible 許しがたい」とか、「très grave 非常にゆゆしきこと」という表現を期待するのに慣れていると。日本ではこうした言い方で物事が進んでいくのだな(善し悪しは別として)と一方で思うと同時に、日本の昔の政治家もこんな言い方をしただろうか、彼の個人的スタイルなのか、という疑問も感じる。この人が首相になってしばらくして、その日本語をはじめてTVで聞いたとき、タカ派という報道と裏腹に、言葉のあまりのあいまいさ、他人事のようなものの言い方に驚いたことがある。この奇妙な矛盾した印象は、上のようにこういう機会に欧文脈になるといっそう浮き立つ。関係のある話ではないが、いかにもハト派という顔のラファラン首相が今日のTVのインタビューの中、コートジヴォワールの件で、「フランス人の兵士を殺害すれば即時の報復があるのはあたりまえ前 on ne tue pas les soldats Français sans que la riposte soit immédiate」と、一生懸命すごんで言っていたのと、なんとなく対照させてしまう。