§5.Skyblogのブログ数 ≒ ブロガー数 ≒ 若者ブロガー数

この事件のときの報道での、「会員数160万のSkyblog」や「フランスの中高生の150万人が自分のブログを作ったり、日常的に書き込んだりしている」という報道があいまいで、数字が膨大なこともあり、何が正確な情報かという点がぼやけたか、より詳しい事情は次のとおりである。

この事件に関連してル・モンド「Les blogs adolescents, espaces d'affirmation de soi et de découverte de l'autre" LEMONDE.FR | 24.03.05 」 という記事で、ユース・カルチュア研究、青年心理学の立場から、このブログ現象を研究している人にインタビューしているが、ここで、この3月末の時点で、Skyblogに164万のブログがあること、毎月1万件増えていること、そして正確な統計がないのでわからないがSkyblog上のブログ数がフランス全体のブログ数の8割から9割を占めるだろうと明らかにしている。Skyblogのblog数はトップページで確認できるので、この数字は正確である。そしてSkyblogの母体である ラップ、ヒップホップ専門のラジオ局であり、大部分の視聴者が10代からせいぜい20代前半の若者であること、Skyblog上でアップされるブログの内容をみても、そのうちの9割から少なくとも8割は、この年代層というのは予測がつく。そして、中高生というのはその大きな部分を占めると思われる。これだけ数が多いと、ノリで作ったはいいが更新されない幽霊ブログもあるだろうが、ただし、規約で105日更新されないと自動的に消去されるとしているので、べらぼうなパーセンテージにはならないと思われる。

さて、現在はというと、上にあげた最新の数字(斜体字の数字)でわかるように、Skyblog上のブログ数は現在220万−−上の表を作ってからこの文を書いている間に実際に220万を越えた−−であり、2位のTchatcheBlog の10万6千件という数字を桁違いに引き離している。どのくらいがアクティブかはわからないが、少なくとも過去からの累積で、8900万件の記事、1億2千万件のコメントというのは、並大抵の数字ではない。そして2位以下の数字を合わせても、どう多く見積もっても40万は越えないであろうこと、そして第2位になっているTachatcheBlog はじめ、数万のブログ数を持つたのサービスも、Skyblogとかなり近い雰囲気であることを考えると、250万を越えるブログのやはり少なくとも8割は十代、せいぜい20代前半の若者と考えていいだろう。

ル・モンドは3月末以来さらに拡大するブログ熱を5月21日の記事「L'univers des blogs, ses habitants, ses rites, son langage LE MONDE | 21.05.05」でまたとり上げているが、ここではフランス全体のブログ数を270万とし、そのうち200万が青少年によってSkyblogに作られたものとしている。Skyblog外のもの全体の見積もりが上の私のものと違うが、スクプト・インストール型のものや外国のサービスを利用したものも含めたカウントの違いがあるだろう。