東京都の知事フランス語を侮辱

東京都の知事、フランス語を軽蔑侮辱
Le gouverneur de Tokyo traite le français par le mépris et l'injure

LE MONDE | 07.06.05 | 14h25 • Mis à jour le 07.06.05 | 14h25

発言に節制をおくというのは、東京都の知事石原慎太郎氏が得意とするところではない。氏は挑発的な言い回しや外国人憎悪的ポピュリズムで知られ、それは中国人−−彼によれば軽犯罪の増加の原因−−にしばしば向けられている。

同じような調子で、氏は数ヶ月前、フランス語を標的にした。「計算に不適格で、国際語としての資格を失うのも当たり前だ」と述べたたいう。暴言であり根拠もない。数学におけるフランス学派は、日本でも評価が認められており、第二次大戦後、日本の科学者の間でもこの学問の普及に貢献した。

La mesure dans les propos n'est pas la qualité première du gouverneur de Tokyo, Shintaro Ishihara, connu pour ses formules provocatrices et un populisme xénophobe souvent tourné contre les Chinois responsables, selon lui, de l'augmentation de la petite criminalité.

Dans la même veine, il s'en était pris il y a quelques mois à la langue française : "Inapte au calcul, il est normal qu'elle soit disqualifiée comme langue internationale" , aurait-il déclaré. Propos aussi outranciers qu'injustifiés : l'école mathématique française, reconnue au Japon, a largement contribué, après la seconde guerre mondiale, à la diffusion de cette discipline chez les sientifiques japonais.

ずいぶん前の発言で、フランス語の情報にも一度なったはず。あまりばかばかしいので、とりあげなかった。再燃して今度はル・モンドの紙面を飾ることに。はてなでだれもル・モンド記事に触れていないので、一応紹介することにします。
On casse
「閉経後の女性は無用だ」と「baba ばばあ」という軽蔑的な表現をつかって女性を侮辱して、468人の女性から訴えられているが、一審では原告が負けている、というようなことも。フランスだったら政治生命どころか公人としての存在をとっくに抹殺されていると思うが、日本はこういう人には優しい国らしい。

  画像と本文は無関係です
この記事、海外こぼれ話的囲み記事とはいえ、ペーパー版ではかなり目立つ第一面にのってしまいました。かつネット版では、読者お勧め記事のランキングの4位になっている。フランス語云々は、フンてな話のタネぐらいだと思うけど、「閉経後の女性」云々はきついというか、こういう人が首都の長にいるというだけで、こちらが侮辱されたような気がする。

フランス語の数の数え方とえいば、まあ慣れででしょうね。フランス革命あとに、septante, octante の今のベルギー風に直そうとしたけど、結局普及せずに元に戻ってしまったし。一度慣れてしまったものが不合理な体系というのには、慣れた人はなかなかきづかないもの。日本語を教えたことのある人なら、日本語の数詞で1から10までに2通りの違う言語系統に由来するものがあって、ときどきそれがごちゃごちゃになる局面がり、使い分けを教えるのに苦労したことはありませんか?これも意地悪になれば、数の数えかたの体系が「文明化」されてない証拠としてあげつらうこともできる。

大学で第二外国語がなくなってフランス語の学習者が減ったというようなことも書かれている。前にも書いたが、一つの言語は世界を一つの見方に強制する傾向があるから、別にフランス語でなくてもいいが、英語以外にも違う角度は確保しておいたほうがいい。

◆参考 id:fenestrae:20050714