記事へのリンク許可 −−ル・モンド、リベラシオンのばあい

日本の新聞のリンクに対する態度を調べながら上の記事を書いているうちに、このブログで最もよくリンクしている「ル・モンド」のばあいはどうか気になって調べてみた。

http://www.lemonde.fr/web/articleinteractif/0,41-0@2-3388,49-626149,0.html

に、リンクについてに指針があり、

サイトへリンクをはることは、そのリンクがブラウザに新しいウィンドウを開くという条件さえ満たせば、発行者の特別の許可なく行えます。しかし、発行者は、あるリンクが自らの編集方針に合わないと判断したばあいには、そのリンクを抹消を要求する権利を保留します。

また他のばあい、特に、

  • 発行者のロゴを表示したいばあい
  • 発行者のサイトがリンクを希望するもののサイトのナヴィゲーションに組み込まれるばあい、とくにフレームを使用するばあい、
  • 発行者のサイトへのリンクを含むページへのアクセスが無料でないばあい、

には、発行者に明示的な許可を申請しなければなりません。

あるサイトへ自由にリンクをはることへの許可には、リンクをはるためにコンテンツの一部をコピーする権利は含まれていないことに留意してください。

となっている。

「新しいウィンドウを開くという条件」というのは少し分かりににくいが、必ずしも子ウィンドウを開くということではなく、リンク先のページがフレーム内に取り込まれたまま表示されるのでなく、ページのための表示ウィンドウが開くことと解していいように思う。

個別記事リンクに関してはどうだろうか。リンク先に「サイト」ということばしか使われていないが、上の文書の最後に付された最後の但し書きに「注意 − 記事へのURLは有料アーカイブへに移行する際に変ります」というのがある。これはル・モンドのシステムを知らないと少しわかりにくい但し書きだが、記事のURL www.lemonde.etc に、有料版購読者がアクセスしているばあいはURLが自動的に www.abonnes.etc になるので、リンクを貼るばあいはそれに注意してください−−実際私もよく忘れて www.abonnes.etc のままリンクしたりする−− ということで、個別の記事のURLにリンクが貼られることを前提としている。そもそも、個別記事と、トップページの区別だてに考えが及んでいないようだ。「玄関から入る」のを重要視するというのは日本的な発想なのだろうか、それとも、アメリカのサイトなどでもそうなのだろうか。

「あるサイトへ自由にリンクをはることへの許可には、リンクをはるためにコンテンツの一部をコピーする権利は含まれていないことに留意してください。」は、リンク情報へのコンテンツコピー禁止というより、コンテンツコピーの許可がリンク許可によって与えられるものではなく、コンテンツのコピーは別のところで述べられている、複製、引用の規則に従いますということ解せる。コンテンツのコピーに関しては、引用の範囲をめぐって、いろいろと述べられているが、このブログもあまりお行儀がいいとはいえないようなので、この話に深入りするのはよしたほうがよさそうだ。

ル・モンド以外の新聞はどうなっているかと思い、リベラシオンを見てみると、発行者と読者の間で交わされる約束・憲章(charte)
http://www.liberation.fr/services/charte.php
の中に記されているが、なんと、ル・モンドのものとまったく同一。毎日新聞に載っていた「日本新聞協会の統一見解」的なものかとも思い、フィガロのサイトを見に行くが、フィガロではリンクについての但し書きがない。ル・モンドリベラシオンの2社の申し合わせ事項なのか、他の新聞、雑誌も参加しているプラットフォーム的なものだろうか、もうちょっと調査の手を広げてみなければわからない。いずれにしても今のところ言えるのは、ル・モンドリベラシオンは「営利サイトからのものやフレームに取り込むようなものでない限り、リンクは個別記事OK、通知の必要はなし」ということになる。