Live 8 in Japan by Le Monde

土曜日に開催されたLive 8、たくさんの人が書いているが、フランスではヴェルサイユ*1。テレビではM6の実況放映がキャンセルになりそれほど盛り上がらなかった。こちらも外出していたので AOLのネットフィードで見る。フランス版を見ると、待ち時間のほうが長いくらいで、だんだんだれてくる。6月21日の音楽の日から日にちがたっていないことや、人々の心はどちらかというとヴァカンスのほうへ向かっているのもあまり盛り上がらない理由かも。

イギリス以外ではネットイヴェントにとどまったような感じもする。個人的には、グローバルフィードで見たマドンナがいちばん印象が深い。本家イギリスの圧巻レポートが id:hinakiuk さんのところに。

日本のようすについて、id:cinna85mome さんがル・モンドの記事を読むまで、France2のニュースを見るまで、ライブ8の存在も東京でもこれが行なわれることも知らなかった」と書いている。他のブログなどを見ても、フランスよりもさらに盛り上がらなかったようだ。。

ル・モンドはこの日本公演も伝えている。

アフリカ救済の地球規模コンサートが日本からスタート
Les concerts planétaires pour sauver l'Afrique ont démarré au Japon

LE MONDE | 02.07.05 | 12h51 • Mis à jour le 02.07.05 | 13h28

時差の関係で、日本は2日土曜日 Live8コンサートシリーズをオープンする特権を得た。Live 8は、スコットランドで開かれる先進工業国サミットG8を前に、アフリカの貧困の問題に人々の関心を集める目的で催される。[...]
東京ではアイルランドの女性歌手Björk、アメリカのロックグループ Good Charlotte、イギリスの McFly そして「J Pop」のグループが参加する。[...]
Dreams Come True, Rize, Do As Infinity, Def Tech によって紹介されるJ Pop にとって、これはとりわけ、外国に放映されるチャンスである。J Pop ではアジアでは人気が高いが、欧米ではほとんど知られていない。日本のロックミュージシャンが外国であまりツアーをしない理由は、言語やアプローチの問題にある。しかしながら汎アジア的なスターもいる。

日本以外の観客は日本のミュージシャンの演奏の様子を見られたろうか。AOL からも日本のようすは配信されていないので私は残念ながら見る機会を失った。

この記事は公演の報告というよりも、日本特派員氏にとって、「J Pop」シーンについてとりあげるよい機会となったようだ。このあと、ひとしきり「J Pop」の紹介がつづく。

J Popは日本の若者像を反映している。ちょっと目には、それは政治にほとんどかかわろうとせず、軽薄で、刹那的な快楽主義にとらえられ、地球の将来について西洋を揺り動かしている重要な問題に無縁であるかのように見える。しかしそうした印象は一面的な過小評価だ。反逆をダイレクトに表現するロックグループはほとんど見られないにしても、現在の社会の不安や地球上の悲惨さを告発しているグループもいる。Mongon 800のような沖縄のグループがそうした例だ。このグループのアルバム Message は2004年に220万枚を売った。
これらのグループの成功は日本の若者の新しい音楽ジャンルへの興味、社会に対し彼らなりの仕方で断絶を示す芸術家たちへの興味を示している。

日本のポップミュージックの発展については、

ポップミュージックの分野では日本は順調である。他国と同様、ネットでの音楽ファイルの交換の増加でディスク業界に苦境をなめているが、新しい才能は次々と表れ、音楽は主に伝統的な回路以外で流布している。

フランスの状況とくらべると当を得た診断だといえる。

結びの段落はいかにも、文化的ダイナミズムとしての Pop Japan 現象についての紹介や、伝統的な社会的枠組み以外のところに活動を求める若者への期待を何度も書いているフィリップ・ポンス氏らしいまとめ。個人的には、図式的にすぎると思うが、日本の若者によせるこの人の理解とそれを外に伝えようとするその努力は好ましい。

J Popのソフトな政治参加は日本の若者の新しい関心のありようを反映している。日本の若者が全員、ひっきりなしにストリートファッションを取り替えているような少年少女ではない。多くの者がボランティアや人道的活動に個人的に参加している。Live 8によってJ Popの声は、善意によるメディアイベントのコンサートに加わることになった。