シラク、シュレーダー、プーチン@カリーニングラード

7月3日日曜日に行われた 独仏露会談:カリーニングラード誕生750周年式典で (毎日新聞 7月3日・4日) について、ひとわたり国内報道を見出しレベルで確認してみる。上の毎日の見出しは事実だけを述べたものが、他紙ではその意義について見出しレベルでなんらかの情報を入れている。

は、仏独各紙の見出しとだいたい同じ。

読売の記事も最初はこの線の「露仏独が首脳会談、露・EU関係の重要性改めて確認へ」という見出しだったというのがGoogle Newsで確認できるが、記事の本体に確認にいくと

となっている。日本の常任理事国入りの問題からこちらのほうに関心がいくようだ。

独特なのが産経新聞で、

「反米色」、「ぬぐえず」それぞれに見出しをつける側の視線のありようがうかがえる。アメリカの新聞もざっとチェックしたが、見出しレベルでこれほどアメリカを判断の基準点とするものはみあたらなかった。

asahi.com はこのカリーニングラード会談についての記事を掲載していない。

仏独各紙の報道、たとえば
ル・モンド(AFPとロイターをソースとするまとめ記事)

フィガロ


フランク・フルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク(FAZ)

は、だいたい同じような内容であるが、日本の記事になくて、これらの記事である程度スペースがさかれているのは、京都議定書にそった温暖化対策のG8における扱いの問題。FAZ紙でも、「ドイツの常任理事国加盟問題をプーチンが支持」よりも、こちらのほうが大きくとりあげられている。フィガロの記事はこの件について以下のように伝える。

イギリスの週間紙 The Sunday Times によれば、ブッシュ米大統領はG8で、気候変動を「現実」と認め、先進工業国が取り組まなければならない問題とする宣言に署名する用意があると伝えられる。ただし具体的なアクションに参加する予定はないようだ。シラク大統領は、アメリカのこうした変化に留意するとしながら、宣言書が京都議定書に明示的に触れないかぎり、つまり「温暖化現象をもたらすガス排出量の大幅な削減に参加する明確な意図」表現しないかぎり、フランスは合意案を受け入れれないだろうと警告した。2006年にG8の議長を務めるプーチン露大統領はエネルギー問題が次回のロシアでのサミットの中心議題になるだろうと表明。シュレーダー独首相はこのサミットがそのもとももとの使命、すなわち世界レベルの経済問題についての討論を取り戻すことを希望すると述べた

Selon l'hebdomadaire britannique The Sunday Times, George W. Bush serait prêt, au G 8, à signer une déclaration qualifiant le changement climatique de «réalité» à laquelle les pays industrialisés doivent faire face. Sans pour autant s'engager sur des mesures tangibles. Jacques Chirac a pris acte de cet état d'esprit nouveau. Mais il a prévenu que la France n'accepterait un accord que si le texte comportait une référence «explicite» au protocole de Kyoto, bref s'il traduisait «une volonté claire de participer à une réduction importante des émissions de gaz à effet de serre». Vladimir Poutine, qui assumera la présidence du G 8 en 2006, a annoncé que les questions énergétiques seraient au centre du prochain sommet en Russie. Gerhard Schröder a pour sa part souhaité que ces sommets reviennent à leur vocation première, un débat sur les grands problèmes économiques mondiaux.

国際政治観察に各国の勢力争いという地政学的な物の見方が不可欠としても、そこで何が決まっていくかを、何が重要なこととして決められなければいけないかという価値判断とともに、見ていくことも重要だろう*1

*1:G8における京都議定書の問題についてのはてな内関連記事は→ id:cameracamera:20050704:p1