半旗の三色旗・Life Continues

fenestrae2005-07-09


朝街を歩いていて官公庁の三色旗が半旗になっているのに気づく。調べると、フランスは今日から3日間、公共の場所で掲げられている旗を半旗とすることに決めたという。

ロンドンにいる知り合いのうち、最後まで連絡の取れていなかったスコットランド人のカップルから、こちらが残した留守電に応えて朝電話がある。なんとロンドンではなく南仏にいたとのこと(笑)。親戚、家族も皆無事で、休暇続行という。他に連絡のとれたロンドンのイギリス人も皆口少なく平静だった。id:kmiura さんところでもそんなエピソードを紹介している。
リベラシオンのフォーラムを見ていて、フランス語を書くイギリス人か、たぶんロンドンに長く住んでいるフランス人の寄せた美しい文章を目にした。

Les Londoniens ont réagi de la seule manière possible
ロンドン市民は唯一可能なしかたで行動した

FatMike - 7月8日金曜日13時28分

仕事に向かうことで、バスや地下鉄に乗ることで、同じ30番線に乗ることで、今朝も昨日の朝と同じように。平静を保ちながら、そして気をつけながら。地下鉄の中には今朝、不思議な連帯の感情と、ちょっとばかりの落ち着きのなさがあった。かすかに見えるか見えないかの。バスでも同じだ。

しかし、それがぼくらの小さな勝利なのだと胸に思う。この攻撃はロンドンの人々に対してしかけられた。イラク戦争に反対のデモをした人々に対して。ブレア/ブッシュにではなく。テロリストは議会やセント・ポール教会を狙ったのではなかった。彼らはラッシュ時の地下鉄を狙い、地下鉄が止まったことを知ると、バスを狙った。それはぼくらの日常生活になされた攻撃だ。そして、それはうまくいかなかった。通勤できるものは皆来て働いている。迷いも気取りもなく。それが野蛮な行為に対してできるすべてのことだ。

こうした「日常の継続による勝利」というような言い方は、今イギリスでは合い言葉のようにもなっているらしいが、C'est la vie.というようなちょっとシニカルな感じと「自由・平等・連帯」や「価値体系」の熱っぽい議論の間を揺れ動くフランス人の発想ではあまり出てこないような気がし、特に上の文章は、しばし新鮮な感動とともに読んだ。「Chapeau bas à eux! Vive les anglais. イギリスに脱帽。イギリス人万歳」「Ca force le respect, en effet. 尊敬してしまう」というようなストレートなレスポンスが寄せられている。