仏、外科医の反乱

フランスの医療保険改革の中で急にクローズアップされてきたのが、外科医の待遇の問題。仕事の内容、外国に比べて収入の面で冷遇されていると外科医たちは訴える。外科医師会の会長は、保険での基準診療費のアップを求めて、このままの状態が続けば皆で外国移住すると政府に警告。既に2000人が実際に移住を考えているという。自由競争で好きなように診療費が設定できもっと稼げると考えられているイギリスが候補先だ。27日づけ(ペーパー版)のル・モンドで次のいくつかの記事でこれを取り上げる。

外科医の外国脱出の脅しに直面する厚生大臣 M. Douste-Blazy face à la menace d'un "exil" des chirurgiens
移住成功者の「ロンドンからの呼びかけ」 L'"appel de Londres" d'un expatrié heureux*1
診療行為の新しいランクづけによる診療費見直し Une revalorisation tarifaire grâce à une nouvelle classification des actes
社説 怒れる外科医たち L'éditorial du Monde Chirurgiens en colère

最初の記事の中に資料として、医者の専門別の平均年収をまとめたグラフがある。ソースは国立統計研究所他になっていて信頼できるはず。同業者で興味のある人もいると思う。ちょっと面白いのでノーコメントで引用。


専門        年収(ユーロ)
レントゲン医    198,896
麻酔医       128,762
外科医       119,782
心臓医       100,014
眼科医        95,433
口腔医        88,349
胃腸科医       83,467
耳鼻科医       76,037
産婦人科医      71,204
呼吸器科医      64,278
リューマチ医     60,005
皮膚科医       55,991
一般医        55,209
小児科医       53,992
精神科医       51,398

専門医平均      93,559
全体平均       71,726

*1:ド・ゴールの「ロンドンからの呼びかけ」をもじったおやじギャク