2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

シャロン発言、一夜明けて波紋広がる。

昨日の夜に、早くもニュースを賑わせた、イスラエルのシャロン首相の「フランスのユダヤ人は移住を」の発言は、一夜明けて大スキャンダル。すでに昨日からユダヤ人の代表団体や反人種差別団体、ユダヤ系知識人、聖職者の非難のコメントがあいつぐ。ソースは…

そしてまた元の事件に

フランスの強い態度を示す、今しがた入ってきた続報。 フランス政府はシャロン氏の発言について釈明を待つ Paris attend des explications sur les propos de Sharonlundi 19 juillet 2004, 22h31 -- Yahoo! - Reuter大統領府は次のように表明−−「シャロン氏…

今日の重要テーマだったはずのもの −− トルコ、ヴェル・ディヴのユダヤ人大検束事件

トルコのエルドアン首相が今日から訪仏。もちろんEU加盟交渉開始に向けてののサポート要請のため。リベラシオンは特集記事を組む。種々の解説記事に加え、社説では 「Compatible 適合可能」と題する加盟支持の社説、また、ダニエル・コーン=ベンディット(ou…

いきがかり上リアルタイムで

別に、このニュースが天下の一大事と思っているわけでもなく、人より特別シャロンを目の敵にしているわけではないが、たまたま第一報からほどなくして書き入れたため、いきがかり上、報道実況中継のようになってしまった。この程度のニュースではもうこんな…

同じ事を述べるにも

ルモンドの20日づけがネットに載った*1。社説の主題はフィガロと同じく、シャロン発言問題。タイトルは 「シャロンとフランス Sharon et la France」。こうした発言をするシャロンの狙いは何か?と問いかけ、それが、実際にイスラエルへの移住を増やすことに…

「ユダヤ人は移住」で仏政府抗議。

続報 フランス政府は、シャロン首相のユダヤ人移住呼びかけに抗議。 Paris proteste contre l'appel de Sharon aux juifs de France Sun July 18, 2004 8:00 PM CEST 外務大臣はこの発言を直ちに「許しがたい」として、イスラエル政府の説明を要求した。20時…

仏のユダヤ人はすぐに移住を(シャロン首相)

シャロン首相はフランスに住むユダヤ人にすぐにイスラエルに移住するようにと呼びかけ Sharon appelle les juifs de France à immigrer "immédiatement" en Israël AFP | 18.07.04 | 17h07 シャロン氏によれば、「フランスでは反ユダヤ行為が蔓延している」…

バトラー報告書、直前にブレアを慮って手直し

大量破壊兵器についてのバトラー報告書はブレア氏を守ためにトーンダウンされていた Butler Report on WMD was watered down to protect Blair Telegraph (Filed: 18/07/2004) サンデー・テレグラフ紙のスクープ。報告書作成チームのメンバーよりの内部情報…

ついでに、余所での紹介記事にのっかって

日本の記事を検索中に、EUへのトルコの加盟に関するブッシュ発言をシラクがたしなめた件について、シラクがトルコ加盟に反対していると信じ、そうブログに書いている人が複数いることを知って驚いた。なるほどこんなブッシュの幼稚な戦略もきくのかというこ…

こんないいサイトが! media@francophonie

うれしい驚きのあまり、思わず日曜休みの習慣を破る。「フランス語圏プレスの記事の紹介と翻訳」と題したサイト http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/ を検索中に発見。知らなかった...フランスだけでなく、フランス語圏の主要紙の記事を淡々と紹…

スカーフとセックス

上のような性をめぐる抑圧の話は、68年以降の文化に慣れたフランス人を本能的に憤激させ、恐怖させるものがある。今日のフランスの女性に対する正統的エロティズムはたぶん、ギャラントリーの対象としての女性という古い伝統に起源を持つイメージと、68年以…

処女証明書とソドミー

あらゆる恋愛関係は秘密にされなければならない。シテ citéの外であろうと男性と手をつないで歩くのを見られることは自分を危険にさらすことである。私たちはそうした地獄について[...]多くの証言を記録している。妹(姉)のボーイフレンドに仕返しをし、そ…

Marie-L*** の「ごめんなさい」。

RER-D線事件の自称被害者からフランス一の女狼少年になってしまったMarie-L*** がテレビでごめんなさいのメッセージを読む。カメラは背中だけを写す。家族はちゃんと出てきて、特に母親は雄弁に娘の事情を弁護する。犯罪者であれ身内を最後までかばうのは自…

ブイグ=TF1のソクプレスへの資本参入はお流れ

10日に紹介した「TF1。問題はコカコーラじゃなくて。」の続報。 Socpresse : Bouygues et TF1 rompent les négociations avec Dassault LEMONDE.FR | 16.07.04 | 19h42Bouygues-TF1-Dassault: oubliez les bans La Une et sa maison mère renoncent à entrer…

国際エイズ会議をめぐるもうひとつの米欧さやあて

ロイター-Yahoo! Japanの記事によると 国際エイズ会議、批判の矢面の米国が反論[バンコク 14日 ロイター] 米国は、治療薬の問題などエイズ対策で様々な批判を受け、同国がエイズとの戦いの先頭に立っており、同国を除くエイズ対策資金の総額を上回る金額…

友だちの友だちが...

狂言でも何でも事実が明らかになればいい。いちばん不健全なのは事実があいまいなまま人々の集団幻想が肥大していくことだ。 フィガロの13日の記事では、RER事件の「被害者」の」女性の証言を疑う根拠として、彼女の知人の次のよう趣旨の話を掲載していた。…

「その前に10も20も同じ事件が」

「これが狂言だったら、もちろん狂言である以上批判されなければならない...だからといって事は変わらない。これはこの種の暴行事件としては10回めだか20回めのものだ*1」と言ったのは前政権下の大臣D.ストロース・カーン氏。最初にふりあげたこぶしがおろせ…

RER-D事件のあと始末。

事件を作りあげた女性の個人的事情などについてもいろいろニュースが出ているが、これはひとまず置き、事件が被害者の主張のみで他の情報での確認がないまま、なぜどのように国じゅうあげての騒ぎになったか検証している記事を探す。 14日付けのリベラシオン…

祭、コミュニオン、共和国

temjinusさんがつけているトッド Emmanuel Todd の「狂人とプロレタリア」読書日記から、気になる引用パッセージ。 「フランス人、イギリス人、スエーデン人、ドイツ人はまた、祭りの感覚と大衆的共感を取り戻す一歩手前にもいない。 non plus la veille de …

シラク大統領TVインタビュー

シラクの口から決定事項としてはじめて明らかにされた大きな点は2点 --所得税減税は一年延期(企業負担の軽減を優先)、欧州憲法は議会によってではなく国民投票で批准の是非をはかる。また35時間の見直しに柔軟姿勢。インタビュアーがサルコジとの不和につ…

バトラー報告書 − 開戦前イラク情報には重大な欠陥

Guardian の バトラー報告書速報 Iraq intelligence 'seriously flawed' 1.20pm: Intelligence reports on WMD in run up to Iraq war were 'open to doubt' and 'seriously flawed', says Butler Inquiry. Read the Butler report in full (pdf) (1MB, 216 …

フランスはお祭りだがイギリスでは

イギリス人は固唾を呑んで見守っているようだ。 Timeline: publishing the Butler report 30分ごとのスケジュールがでるほど。劇的な展開を期待する向きもあるようだ。夕方にはだいたいの様子がわかるだろう。 フランスでは恒例の大統領のインタビュー(13時…

仏独のEU安定成長協定違反の例外措置は許さんとEU司法裁判所

ル・モンドのサイトでオレンジに点滅しメールでも知らせてきた超弩級臨時ニュース。 http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3214,36-372417,0.html 去年の11月のEU理事会でのフランスとドイツの安定成長協定(pacte de stabilité)違反(3年続けて財政赤…

今日のいろいろ(2004年7月13日)

昨日の夜、最後に書き込んだように、RER-Dの人種差別的暴行事件は、証言者が誰も名乗りでず、他にも証言を裏付ける証拠が見つからないことで、疑問の声が捜査筋から漏れはじめ、マスコミ、政治家がだんだん慎重になってきた。現在のネット版ではル・モンドは…

RER-D 人種差別傷害事件は嘘

19:13 にル・モンドのメール : Agression du RER : la jeune femme a menti (RER暴行 女性は嘘をついていた)。シンプルなフランス語でいい。お腹の鉤十字は同居の男性の助けを借りて書いたものとのこと。詳報にあたるル・モンド転載のAFP電は RER D : selon …

RER傷害事件 続報

被害者の証言に矛盾多し。 RER D: "contradictions" dans le témoignage de la victime (syndicat Synergie) AFP | 12.07.04 | 20h49 20時のTVニュースでも。

ブルデュー 『テレビについて』

土曜日にテレビについて書いた直後ということもあり、ブルデューの名を見て思い出したのが、ブルデューの『テレビについて Sur la télévision』(Seuil, 1996) という90ページほどの小冊子*1。パンフレット(pamphlet)といってもいい。強烈なTVジャーナリズム…

トッドのフランス知識人批判(temjinusさんに教えてもらった)

temjinusさんがエマニュエル・トッドの『狂人とプロレタリア Le fou et le prolétaire』の読書ノートを旧サイトから続けているのを楽しみに読んでいる。『狂人と...』は1979年の出版で、翻訳はなく原著も絶版なのでこの紹介は貴重。 以前の紹介文にも出てき…

TF1。問題はコカコーラじゃなくて。

TF1会長のコカコーラ云々のAFP記事はフランスあちらこちらの新聞、ネットニュースでとり上げられた。しかし、こういう緊急性のないネタ(インタビューのおさめられた本の出版日は6月22日)が急にスポットを浴びるのには裏がある場合が多い。実はTF1関係の本…

仏民放TV局のお仕事−−コカコーラの販促

「コカコーラを売るのを助けるのがわが局の仕事」と、仏TV局TF1会長Le métier de TF1 "c'est d'aider Coca-Cola à vendre son produit" (PDG de TF1) AFP | 09.07.04 | 20h14 フランスのTV局TF1の会長パトリック・ル・レー氏が、近刊の企業経営者のインタビ…